カウンセリング時に「ちゃんと眠れていますか？」と伺うと、「眠れています」と答えて下さる方が多いのですが、朝起きた時に「スッキリ起きられますか？」と伺うと、「起きられていない」と答える方は少なくありません。

前者は「睡眠時間」や「寝つき」についての質問、後者は「睡眠の質」についての質問と考えております。

今回の記事は、「睡眠の質」について書いていきます。

◆睡眠の質とは？

「睡眠の質とは何ぞや？」と思う方もいらっしゃるかと思います。

睡眠の質が良いというのは、体や脳がしっかりと休めていること、つまり「眠りが深い」と捉え、反対に睡眠の質が悪いというのは、体や脳がしっかりと休めていないこと、つまり「眠りが浅い」ことと捉えます。

冒頭で書いた「スッキリ起きられるか？」という質問に「はい」と答えられるのは、「体や脳がしっかりと休めたよ」という証拠だと考えてください。

◆なぜ睡眠の質が悪くなる？

人によって睡眠の質が悪くなる背景は様々なので、以前書いた「睡眠と鍼灸」の記事をご参考にしてください。

◆睡眠の質が悪くなる経過

日々少しずつ睡眠の質の変化があるため、人によっては経過を覚えていないことが多いですが、概ね以下のような経過をたどります。

①しっかり眠れた日とあまり眠れなかった日がある

　　　　　　　　↓

②徐々に朝起きた時のすっきり感がなくなってきている

　　　　　　　　↓

③常に朝起きた時に体が疲れている

◆睡眠の質が悪い状態が続くと…

睡眠の質が悪い状態が続くと以下の代表的な症状が出やすいです。人の体質や状態により変わるので詳細な症状は書けません。ご了承ください。

【自律神経の乱れ】

【ホルモンバランスの乱れ】

【首肩凝りが強くなる】

 また東洋医学では睡眠の質が悪くなると「気虚(ききょ)」または「血虚(けっきょ)」という状態になります。

【血虚】

東洋医学では睡眠中に「血を補う」と考えます。睡眠の質が悪く、睡眠の不足になると「血虚(けっきょ)」という状態になり、様々な身体症状や、精神症状を引き起こします。

これも「睡眠と鍼灸」に書いております。

【気虚】

睡眠の質が悪いと、効率よく体と頭を休めることができないため、前日の体力消耗を回復出来ずに次の日を迎えてしまう、つまり睡眠によって得るべき体や頭の休息・充電ができていない状態です。その繰り返しによって以下のような諸症状を起こしやすくなります。

・朝から体が重い

・体がだるい

・気力がない

・頭が働かない

・集中力の低下

・疲れやすい

・疲労が溜まってくると、持っている不調症状がでやすい

・疲れているけど、やらなければいけないことがあり、余計な力を使って活動し更に疲労が溜まる

など

◆最後に

急激に睡眠の質が悪くなることもありますが、大半の方は徐々に徐々に睡眠の質が低下してくることが多いです。そして睡眠の質の低下とともに身体の疲れを溜めてしまったり、精神的なゆとりがなくなってしまったりします。そしてこれが病気ではない、体調の悪い状態を引き起こすベースになります。

もちろん全ての方が、睡眠が整えられる環境とは限りませんが、可能な限り睡眠の質をよくすることも、健康維持を長期的に考えると大切な生活習慣の一つと言えるでしょう。参考にしてみてください。