◆はじめに

自律神経の乱れに悩まされている方は多くいらっしゃいます。
自律神経が乱れている方は以下のような悩みお持ちです。

 

・今までに感じたことのない症状の急激な出現

・症状が中長期間続き、消失しない

・色々な所に様々な症状が出ている

・薬などの対症療法を行っているが変化がない

・色々な症状が出過ぎてよく分からなくなっている

など

 

病院に行って一通りの検査を受けた後、「異常がない」、「薬を服用しても変化がない」などの場合、自律神経の乱れが関与している可能性が高いです。

 

今回の記事は「自律神経症状が様々な器官(場所)に出現してしまうこと」について解説していきます。

 

自律神経の役割は全身に及び、その働きはとても複雑なので、知識や情報の切り取りだけで正しく理解しようとするのは難しいです。

自律神経の乱れに悩む方がご自身の身体の状態を認識し、理解して行動するためには、「自律神経」について学ぶことが大切だと考えています。

 

基本的な自律神経の概要は「自律神経の乱れと鍼灸」に書いておりますのでご覧ください。

 

◆自律神経及ぼすエリア

自律神経は私たちの身体の隅々まで行き届いています。

自律神経の乱れから起きる症状を一つ一つ追っていくと、かなりの量になります。

いわゆる「不定愁訴(ふていしゅうそ)」という状況です。

ですから、まずは身体を大きなエリアに分けて、その主な症状を上げてみます。

 

①　胸から頭までの症状

・緊張型頭痛・片頭痛・めまい

・眼症状(ピントが合わない・かすむ・乾く・光がまぶしいなど)

・耳症状(耳鳴り・低音障害型感音難聴・耳管開放症・閉塞症・聴覚過敏など)

・鼻症状(鼻づまり・鼻炎など)

・喉症状(喉の詰まり・上咽頭炎など)

・呼吸症状（咳喘息・呼吸苦など）

・口腔内症状(唾液過多・口腔乾燥など)

など

 

②　お腹の症状

・食欲がない・空腹感がない・胸やけ・胃もたれ

・みぞおちの痛み・おへそ周りの痛み・腸鳴

・機能性ディスペプシア

・逆流性食道炎

など

 

③   下腹部の症状

・泌尿器系症状(頻尿・尿が出にくい、など)

・婦人科系(生理不順・生理痛、など)

・妊活(基礎体温・卵の状態、など)

・腸管症状(便秘・下痢・過敏性腸症候群、など)

など

 

④  　 全身の症状

倦怠感・気力がない・疲れやすい・ほてり・のぼせ様・手足の冷え、など

 

⑤　精神症状
イライラ・落ち込み・不安・焦り・気持ちに余裕がない、など

 

⑥　その他症状

・皮膚症状(痛み・痒みなど)

・睡眠障害

 ・汗(発汗量・寝汗)

 

このように大きく分けることができます。

 

また自律神経症状の特徴として以下のことが挙げられます。

・単一症状より複数症状が多い

・単一症状の場合、症状は強い

・複数症状の場合、症状の強さが違う

・症状の出現頻度が違う

 

 

自律神経症状による不快感が長期間続くと、「何か他の病気があるのではないか？」と不安になってしまう方もいらっしゃいます。

そして、それもまた自律神経を乱す要因になるため、悪循環に陥りやすくなります。

 

◆当院の計画

基本的に人によって症状の違いはありますが、根本的な計画は変わりません。

 

・自律神経の乱れを作る要因の【分析】とそれに基づく【生活指導】

・目立つ症状に対する施術

・自律神経を安定させる施術

 

そしてもう一つ大事なことは、【ご自身の生活の振り返り】を持つことだと思っております。

 

分析に基づいて生活指導を受け、実践していただきたいのはもちろんなのですが、1週間、1か月と時間が経過した際に、「ちゃんと継続できているか？」という振り返りの機会を持つことが大切であると思っております。

振り返って、生活の改善を心がけるようにしないと、日々の生活に埋もれてしまい、自律神経の乱れが落ち着いていかないからです。

 

◆最後に

症状が続いたり、症状が強かったりすると、そこにフォーカスしてしまいがちです。

もちろん、それは自然なことなので、悪いわけではありません。

ご自身が納得するまで、しっかりと検査や対症療法(薬など)を行ってください。

その上で変わらないであれば、次の戦略を立てる必要があるかもしれません。

 

対症療法だけを繰り返し行っても、自律神経症状の本質はそこでない事が多いため、変化を得にくいからです。

 

かの有名な物理学者のアインシュタインは「同じことを繰り返しながら違う結果を望むのは、狂気である」と言っています。

 

今と違う結果を望むのであれば、やり方や考え方を変えることも大切ではないかと思います。

 

一つの考えになれば幸いです。