低気圧の時に、体調が優れなくなる方がいらっしゃいます。個人差はあるものの、私たちの身体は環境因子の影響を受けるからです。

東洋医学では、「自然界」で起こることは「身体」にも起こると考えます。

季節によって「気圧の変化」、「湿気」、「乾燥」、「暑さ」、「寒さ」などの特徴的な外環境があり、これらの影響を受けることで体調の変化が現れます。

今回は、「気圧の変化」によって体調を崩しやすい方の特徴と対策を書いて参ります。

◆そもそも気圧とは？

気圧とは、空気の圧力のことです。大気が地表にのしかかる力のことを指します。

・高気圧：地表にのしかかる圧力が高い状態。

・低気圧：地表にのしかかる圧力が低い状態。

◆高・低気圧の空気の流れ

高気圧は、地表に向かって強く押し出す力がかかります。空気の流れは、上(上空)から下(地表)に向かいます。地表にぶつかった空気はどこに流れるかというと、気圧が低い方へと流れていきます。

低気圧は、地表にかかる圧力が弱いため、高気圧の高い圧力に押し負けて、高気圧から空気が流入してきます。ある一定の容量を超えると、低気圧部分の空気はどこかに逃げなくてはなりません。しかし、持続的に高気圧部分から低気圧部分へ空気が集まり続けるので、上に逃げるしかなくなります。そのため、下(地表)から上(上空)に空気の流れが形成されます。(以下、上昇気流)

◆低気圧で調子が悪くなる時

●上昇気流

自然界で空気の流れが下から上に向かうと、身体の流れも下から上に向きます。身体の流れが上に向かうと、てっぺんの頭部に症状を起こしやすくなります。

●湿度

低気圧は雲を形成しやすく、湿度が高くなります。それによって身体に影響を及ぼします。

湿度の影響で、胃腸症状や体調が優れなくなる方がいらっしゃいます。

・胃腸症状

・梅雨に体調不良になる方

・湿度による体調不良

を参考にしてください。

◆東洋医学の「風」という概念

自然界におこる現象の中に「風(ふう)」というものがあります。

この風(ふう)が身体に悪さすると、「風邪(ふうじゃ)」と呼びます。

風邪の特徴は

１、移動性がある

具体的には、痛みが移動する、痒みが移動する、発疹が移動するなど

２、身体の上部や皮膚表面をおかす

頭部、顔面部などの上の部分、身体の表層(皮膚表面に近いの痛み)など

低気圧時は上昇気流の影響で風の流れが上に向きます。

そのため低気圧時には、頭痛・耳鳴り・めまいなどの症状が多く起こります。

また、低気圧時に古傷が痛むことも、少なからず風の影響を受けています。

◆対処法

症状が出現してからご自身で対処するのは、なかなか難しいと感じております。その場だけ楽になる方法ではなく、これから先も外環境の影響を受けにくい身体にすることで、気圧に煩わされることなく、体調良く過ごせるようになります。地味ですが、継続的に行うことをお勧めいたします。

具体的には

・首肩こりの緩和

・運動によって身体の巡りをよくする

・消化の良いものをとる

・睡眠時間の確保

などを日常生活で意識してください。

◆鍼灸では

鍼灸施術では、身体に生じた風を取り除く方法をとります。身体に「風」の付くツボがたくさんあり、概ね身体の上の部分に存在します。東洋医学は、自然界と身体がリンクしていることを、体現している医学であると言えるでしょう。