当院には、自律神経症状をお持ちの方が多くいらっしゃいます。

自律神経症状は、人によって症状の出現(耳だったり、睡眠だったり、胃腸だったり)が異なり、また自律神経を乱す要因も人によって様々です。

今回は、自律神経を乱す要因の一つである「思考過多」について書いていきます。

ご興味がありましたら最後まで見ていただけると幸いです。

◆思考過多とは

「思考過多」とは、文字通り「考える」という脳の活動量が多過ぎることです。いわゆる「常に頭を回している状態」です。

「考える」ということをもう少し具体的に書くと、考えや思いを巡らせ結論を導き出したり、筋道や方法をなどの過程を模索したりする活動のことです。

この活動の「量が多い」、または「結論がでないこと」や「道筋など、過程を模索する方法が解らない」といった場合、つまり堂々巡りしている状態では、思考過多に陥りやすいです。

◆どのようなことが思考過多になるのか

これは人によって何について考えているか、あるいは何に思いを巡らせているかにもよるので一概には言えませんが、具体的に例を挙げると以下のようなことが多いです。

【未来の不安】→特に結論が出にくいこと

例えば、健康について・仕事について・幸せについて・お金についてなど

【ストレス】→どう対応していくのがよいか答えが出にくいこと

例えば、対人ストレス・自己ストレス・環境ストレス(仕事・コミュニティなど)・ストレスとの向き合い方など

【性格】

０か１００か思考(白か黒でグレーは受け入れられない)

完璧主義

頑張り過ぎる

不安気質

【結果がでない】

妊活・その他の治療・努力が報われないこと

【時間に追われている】

常にあれもやらなきゃ、これもやらなきゃと追われている

何かしていないと落ち着かない

【パソコン・スマホの使用】

思考過多というより「刺激過多」という表現が適切かもしれません。

◆なぜ思考過多が自律神経に影響するのか

自律神経の大本は脳にあります。

私たちは普段気にも留めていませんが、身体の中の臓器(脳や心臓など)は、自律神経のおかげで常に働いてくれています。

しかし思考過多が続くと、脳が疲労し、自律神経の調整が上手く出来なくなってしまいます。つまり脳を働かせ過ぎている状態だということです。

私たちの身体はバランスで成り立っています

「労働」や「運動」の後には、「休憩」や「休息」を取る必要があるのと同様、脳も思考し続けるのではなく、思考を止めてあげる時間（脳の休息時間）を作ることが大切です。

しかし、ここで問題が２つあります。

１つ目は、

日常的に思考過多になっていると、常に思考を巡らせている状態が習慣化されていて、思考を止めてあげることができなくなっているということです。

2つ目は、

思考過多な状態が当たり前になっているために、ご自身が思考過多だという自覚すらなくなっているという場合もあります。

◆思考過多に対する鍼灸施術

主に大きな方針としては以下の通りです。

・自律神経の安定

・身体の緊張緩和

・自律神経症状へのアプローチ

・なぜ思考過多になっているのか？(分析)

・思考過多を改善するための方法を、日常生活にどう取り入れるか？(生活指導、考え方のアドバイス)

詳しくは関連ページの【自律神経ページ】をご参照ください。

◆最後に

多くの方は、「ご自身の症状」に「自律神経」が関与していることは、調べて分かっているのですが、自律神経の乱れを引き起こす要因についてまでは考えられていません。

自律神経症状でお困りの方は、もしかしたら「思考過多」によって自律神経症状を引き起こしているのかもしれません。思い当たることがあれば、ご自身の生活やご自身の内面を振り返ってみていかがでしょうか？参考になれば幸いです。