前回の記事は、ストレスの原因について説明しました。

今回は、ストレスによって身体に起こる反応・症状・について書いていきます。

前回の記事：ストレスとは

◆生体反応のプロセス

不快なストレスを感じた時に私たちの身体に起こる変化

１．情動変化

まず、不安・怒り・悲しみ・恐怖・失望などの感情が現れる

２．身体変化

次に、動悸、震え、息切れ、冷や汗などの身体変化が現れる(人によって様々な症状が現れます)

３．行動変化

➀、➁の変化を解消しようと、暴飲暴食、せかせか行動するなど、気を紛らわす行動をとります。

【流れ】ストレッサー➡情動変化➡身体変化➡行動変化

私たちは、ストレッサーから自己を守るために、生体反応のプロセスを経て防御態勢をとります。ストレッサーが長期だったり、強力だったりした場合は、ストレスによって心身に変調をきたします。詳しくは次の項で説明します。

初めて鍼灸院にいらっしゃる方は、概ね➁、➂あたりからいらっしゃることが多いです。

◆東洋医学からみたストレス症状

●気滞(きたい)

気の滞りが起こることで症状を起こします。

・筋肉系：凝り・はり・噛み締め・つりやすくなる・呼吸が浅くなる・緊張性頭痛などの筋肉の収縮病理

・消化器：胃や下腹部が張る・げっぷが多くなる・おならが多くなるなど

・精神症状：イライラ感・落ち着かないなど

・生殖器系：生理痛が強くなる・PMSが強くなる・血の塊が多くなる・排卵痛が出ることもある・勃起障害・精子運動率の低下

●熱化(ねつか)

・ストレスによって身体に熱を持つ症状

熱が頭部に影響：拍動性頭痛・耳鳴り(高音)・めまい・目赤・のぼせ・ほてり・喉の乾き・肌の乾燥など

・熱が皮膚に影響：蕁麻疹・湿疹・痒み・アトピーの悪化

・熱が消化器に影響：暴飲暴食・胃炎・胃潰瘍・下痢

・熱が婦人科系に影響：生理周期が早くなる・生理痛が強くなる・経血が濃くなる・生理不順・膣炎など

・その他：怒りやすい・物や人にあたりやすくなる・入眠しにくい・中途覚醒・目のピントが合わない・動悸・頻尿

●不規則

ストレスにより体の規則性が失われる状態

・規則的だった生理周期が、長くなったり短くなったりする

・排卵日がズレる

・食欲があったりなかったり

・下痢だったり便秘だったり

・夜中途中で起きてしまうこともあれば、起きないこともある

・ある症状が悪化因子と関係なく出現するなど

◆ストレスが長期化すると…

長期間、ストレッサーに抗おうすると、心身ともに疲労し、疲労による症状が出現します。詳しくは書きませんが、大きく２つに分けられます。

 ・気虚(ききょ)：エネルギーが不足して起こる症状

よくある症状：疲れがとれない・疲れやすい・気力がない・顔がたるむなど

・血虚(けっきょ)：栄養物質の不足。東洋医学では身体と心に栄養を与えているのが「血」です。

からだ血虚：髪が細くなる・肌に艶がなくなるなどの身体的変化

こころ血虚；不安感・鬱々した感情(気持ちが晴れない)猜疑心など、情動変化が強くなる

 ストレスについて書くと膨大な量ですね(>_<)これでも削っているのですが説明・症状・東洋医学的な観点と書くと、やっぱり多くなってしまいます。

おそらく、次で終わりにできると思います。読んで下さっている方は、もうしばらくお付き合いください。