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機能性ディスペプシアと鍼灸

◆機能性ディスペプシアとは?「検査で異常なし」でも続く胃腸の不調

機能性ディスペプシアとは「検査をしても症状の原因となる異常が見つからない」にもかかわらず、慢性的な「胃もたれ」や「心窩部(みぞおち)の痛み」などを起こす症状のことです。

生活の質の著しい低下がみられ、ストレスと関連があるといわれていますが、その明確な原因はいまだ不明であるとされています。

慢性的な「胃もたれ」や「みぞおちの痛み」・・・そう聞くと思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は「機能性ディスペプシアに対する鍼灸施術」について書いていきます。

 


◆機能性ディスペプシアの症状

機能性ディスペプシアは、上腹部を中心とする次の4症状がみられます。

これらの症状は、主に「運動機能異常」と「内臓知覚過敏」によってもたらされていると考えます。

 

【運動機能異常】

① 食後のもたれ

胃の蠕動運動(内容物を腸に送る動き)が低下し、胃に入っている内容物の排出が遅延することで不快を感じる。

② 早期膨満感

胃に内容物が入ると胃は膨らむようになっていますが、異常により胃が十分に膨らまないため、少量の食事でも満腹を感じる。

 

【内臓知覚異常】

③ 心窩部痛

胃や十二指腸粘膜が胃酸の刺激に過敏になり、その量にかかわらず痛みを感じる。

④ 心窩部灼熱感

胃や十二指腸の知覚が過敏になり、熱感を伴う不快を感じる。

 

【その他】

  • 胸腰移行部(腰の上と背中の下の辺り)の痛み
  • 便秘・下痢
  • 下腹部の張り
  • 食べることへの不安感・恐怖感

 

 

◆機能性ディスペプシアに対する、なずな治療院のアプローチ

機能性ディスペプシアに対する

  • 鍼灸の目的
  • 東洋医学的に考えられること
  • 派生症状

と3つに分けて書いていきます。

 

【鍼灸の目的】

「検査では異常なし」と言われた方にとって、その言葉は安心でもあり、同時に途方に暮れる瞬間でもあると思います。異常がないのになぜこんなにつらいのか——その「検査に映らないつらさ」にアプローチするのが鍼灸の得意とするところです。

鍼灸は自律神経に働きかけるアプローチです。足三里など消化機能に関わるツボへの刺激が、胃の蠕動運動を促し、胃酸の過剰分泌を抑え、過敏になった知覚神経を落ち着かせる可能性が研究でも報告されています。「病院では異常なし」と言われた方にとって、検査に映らない部分へのアプローチは鍼灸が得意とするところです。

 

【東洋医学的に考えられること】

東洋医学では、胃腸の不調が続くと「気血(きけつ)」が作られにくくなると考えます。「なぜか眠れない」「疲れが取れない」「気力がわかない」——これらは胃腸症状とは別の話に見えて、実は根っこが同じところにある可能性があります。胃腸が弱っているから全身がつらい、という視点で体全体を診ていくのが東洋医学のアプローチです。

人によって症状出現の背景は様々ですが、大きく以下のようなことが考えられます。

  • 身の周りの環境の影響によって症状を起こしている
  • 症状があるにも関わらず無理やり食べている
  • 症状をよくしたいがために食事の種類を限定している
  • きっかけはあるが原因不明
  • きっかけがなく原因不明

 

【胃腸からの派生症状】

胃腸症状が慢性化・長期化すると、他の症状へと派生していくことがあります。よくある症状は以下の通りです。

  • 睡眠障害(寝入りが悪い・途中で起きる・起床時疲れている、など)
  • 慢性疲労
  • 動悸やめまいなど(自律神経症状)
  • 不安感や焦燥感など(精神症状)

東洋医学では、胃腸の消化吸収によって「気血」という、体と心を養う栄養物質に変換されると考えます。気血の不足が起こると上記の症状が起こりやすくなります。

  • 「気」は体を動かすエネルギー(自律神経の調整も入ります)
  • 「血」は精神を安定させる心の栄養物質(睡眠も入ります)

とお考え下さい。


 

◆最後に

生きるために「食べる」という行為はとても大切です。しかし、「不快感」や「痛み」などがあると食べることを遠ざけてしまったり、反対に無理矢理にでも食べようとしてしまったりします。どちらの選択も身体に負担になってしまい悪循環を辿ることもあります。

長期化・慢性化した症状は、短期間で劇的に変わるものではありません。ただ、施術を重ねる中で「食後の重さが少し楽になった」「夜眠れるようになった」など、小さな変化が積み重なっていきます。当院では3ヶ月を一つの目安として、体の変化を一緒に確認しながら進めていきます。

この悪循環に陥ってしまった場合、鍼灸施術も選択肢のひとつとして、ぜひ一度ご相談ください。

参考になれば幸いです。

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