◆はじめに

美容鍼は「シワ」や「たるみ」への効果が期待できると聞いたことはあっても、それがいったいどういったメカニズムなのか？そこまでご存じの方はなかなかいらっしゃらないのではないかと思います。

ということで、今回は「シワ」や「たるみ」を引き起こすメカニズムについて説明していきます。

◆「シワ」や「たるみ」になる要因

「シワ」や「たるみ」になる要因は様々あります。

前提として真皮の状態の衰えが基となり、それにその他の要因が重なることで「シワ」や「たるみ」が形成されていくと考えられています。

【真皮に関するシワ・たるみ】

真皮とは、いわゆる「肌のハリ」の根幹となる部分です。

真皮を構成する主な物質は以下の４つです。

・コラーゲン：「ぷるぷるのゼリー」のようなものです。これは「皮膚の柔らかさ」を保つ役割を果たしています。

・エラスチン：「ばね」のようなものです。これは「肌の弾力」を司ります。

・基質(きしつ)：コラーゲンとエラスチンの間を埋めているもの。保水能力に優れた物質。

・繊維芽細胞：コラーゲン・エラスチン・細胞間基質の元となる細胞。真皮の母的存在です。

これら４つの物質がしっかりと機能している状態が「お肌にハリ」があるといえます。

反対に、これらがうまく機能しなくなってくると、真皮が衰えて「シワ」や「たるみ」の元となります。

◆その他「シワ」や「たるみ」の要因

①　表情筋に関わるシワ・たるみ

表情筋とは、読んで字のごとく表情を作る筋肉です。

表情筋が緩むことで「シワ」や「たるみ」になると考えられるものと、

表情を作ること(表情筋使うこと)で「シワ」や「たるみ」になるという、相反する考え方があります。

これは表情筋の「部位」によって異なると考えられます。

つまり表情筋が上手く使えなくなることで「シワ」や「たるみ」になるパターンと、表情筋の使い過ぎで「シワ」や「たるみ」にパターンがあるということです。

【使いすぎパターン例】眉間にシワ寄せする癖がある方

【使えないパターン例】口周りを動かすことが少なくなって「シワ」や「たるみ」になる方

②　表在性筋膜に関わるシワ・たるみ

筋膜とは「fascia(ファッシア)」の訳で筋肉を包む膜とお考えください。顔表面にラップフィルムのような膜がついているイメージをしていただくと分かりやすいかと思います。

この顔面部の筋膜がよれてくると「シワ」や「たるみ」になりやすいといわれています。

不良姿勢を長く続けると顔面部の筋膜はストレスをうけ変形して「シワ」や「たるみ」になると考えられています。

③　顔面部の骨格に関わるシワ・たるみ

骨格に関するものは２つあります。

１、老化により骨が薄くなったり細くなったりすることでシワ・たるみに影響

→対応不可・他の要因の影響を減らすことでシワやたるみに対処する

２、顔面部の骨の歪みがシワ・たるみに影響

④　舌に関わるシワ・たるみ

舌は表情筋のインナーマッスルと考えられており、舌の細かい動きなどが衰えると、アウターマッスルである表情筋の代償運動(必要以上に表情筋を使ってしまうこと)が生じやすいと考えられています。その結果、あご下周りの「シワ」や「たるみ」が引き起こされると考えられています。

⑤　その他

＊顔面神経に関わるシワ・たるみ

加齢に伴い、顔面神経の神経繊維が減少すると言われています。(※顔面神経は表情筋を動かす神経です)これにより表情筋の運動不足や筋力低下が起こり、「シワ」や「たるみ」の要因になっていると考えられています。

＊脂肪に関わるシワ・たるみ

顔面部の脂肪は筋肉に付着している部分もあります。筋肉よる張力がなくなることと、脂肪を下に引き下げる筋肉によって脂肪が垂れ落ち、「シワ」や「たるみ」を形成します。

◆「シワ」や「たるみ」と時間経過

上述した要因は、【時間経過】によって徐々に「シワ」や「たるみ」を形成していきます。

・表情筋が使われない×時間経過

・表情筋の使い過ぎ×時間経過

・顔の骨のズレ×時間経過

・顔の骨が薄くなる×時間経過

・舌の衰え×時間経過

など

この時間経過が、いわゆる「歳を取る」ということです。

若い時にはなかった「シワ」や「たるみ」が【シワやたるみになる要因】×【時間経過】によって出現してきます。残念ながら時間は皆平等に過ぎていきます…( ;∀;)

◆「シワ」や「たるみ」に抗えないのか？

残念ながらお顔の「シワ」や「たるみ」を全く出来なくするというのは、現段階では難しいと思います。

しかし、「シワ」や「たるみ」をできにくくすることや、発生を遅らせることは可能だと考えられます。その手段を挙げてみます。

①　美容外科での治療

②　美容液の使用

③　美容鍼の施術

④　体の体調を整える(運動・食事・睡眠・ストレス対策など)

など

①、②に関しては専門外になるので、説明は割愛します。

③、④に関しては今後詳しいお話が書ければと思っています。

◆最後に

専門用語をなるべく使わずに説明してみましたが、それでも図がないと分かりづらかったかと思います。

「シワ」や「たるみ」になる要因は沢山あるということが分かっていただければ十分です！

美容鍼でアプローチできる「シワ」や「たるみ」の要因についても、今後書いていきたいと思います。