◆腱鞘炎になりやすい方

腱鞘炎は、女性がなりやすい疾患です。主に「手首・指への負荷」と「女性ホルモンの変化」が要因と考えられております。なりやすい方は以下のようなことが考えられます。

【更年期以降】※概ね５０歳以降

→女性ホルモンの低下＋家事などによる負荷

【妊娠・出産期】

→妊娠・出産による女性ホルモンの変化＋育児(抱っこ・オムツ交換・沐浴など)＋家事

【手首・指を酷使する方】

→純粋に使い過ぎor使い方が悪い

【指・手首・腕(上肢)が使いづらい方】

→何かの疾患によって上肢が使いづらい方→上手く使えず負荷がかかる

など

◆腱鞘炎の施術

一口に腱鞘炎の施術といっても状態によって施術方針が異なります。大きく２つの状態に分けられます。

①炎症が強い状態

【症状】

安静時に痛む(チリチリ・ズキズキ・ビリビリ)、手首を動かすとビリッと痛みが走る、手首周辺が腫れている・熱感がある

【施術方針】

患部の施術は控え、周りの負荷になっているところへの施術＋ちょっとした動きで痛むためテーピングで固定

※炎症が強い時期に患部への施術を行うと悪化する可能性があります。

②炎症が落ち着いている状態

【症状】

安静時の痛み・初動時の走る痛みはなくなり、特定の手首の動きで痛みが出る(※人によって異なる)

朝一番は手首が固まっていて痛みが強いことが多い(起床してから時間が経つにつれ痛みが落ち着く)

【施術方針】

①→②と経過を辿っている方は炎症で手首が固まっているため、患部も含めて手首の緩みを作る施術を行う。特定動作による痛みがある場合、使い方が悪いことがあるので負荷のかかりにくい使い方の指導をする。

概ね、強い症状で来院する方が多く①→②→症状の消失、という経過を辿ります。

◆生活指導(使い方指導)

腱鞘炎に対して施術を行っても、日常生活で負荷をかけ続けていては、なかなか症状が落ち着きません。

もちろん女性ホルモンの変動には抗えませんが、負荷がかかりにくい使い方ができれば、【施術で症状のレベルを下げ、日常生活で負荷をかけにくくする→症状が落ちていく】という方向へ進みやすくなります。

どの動作によって痛みが出るかは人によって異なるため、ここでは割愛いたします。

◆最後に

ちょっとした痛みだから大丈夫と思いがちですが、日常生活で「手首」や「指」を使わないことはないため、腱鞘炎になってしまうとその痛みの症状は強くなっていきます。人によっては慢性痛に移行したり、施術をしても症状が落ちづらくなってしまったりするため、症状が軽いうちに対応した方がよろしいかと思います。参考になれば幸いです。

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