ものごとは単純なものもあれば複雑なものもあります。

世の中の事柄の全てが単純なものだけだったら、あまり悩まずに済むのかもしれませんが、現実はそう単純ではありませんよね。

ものごとが複雑な場合というのは、単体要因ではなく複数要因が絡んでいるということです。

この場合、一方向の視点だけで見るのではなく、分割し多方向の視点で見てあげることが大切です。

これは鍼灸院の特性なのかもしれませんが、どちらかというと悩みや症状の経過が長いものや、重い状態になってしまってからいらっしゃる方が多いです。この場合も複数の要因が絡んでいることが多く、悩みや症状が固定化（つまり持病のように常にあるという状態）していたり、あるいは原因不明になってしまっていたりすることがあります。

ここで大事になってくるのが、タイトルに掲げた「分ける」です。

具体的な鍼灸治療学の「分ける」というのは、症状やお悩みの

・規則性(よくなる・軽くなる状況、悪くなる・辛くなる状況など)

・症状が発症した背景

・体の反応(ツボや筋肉の状態、皮膚の状態、脈、舌など)

などを伺い、悩みや症状を、何から来ているものなのか、どんな影響を受けて起こっているのかなどによって、細かく分けていきます。

そのうえで、鍼灸治療学的な考えや東洋医学的な考えに落とし込み、必要な施術を行います。

ギリシャ哲学者のおっちゃんデカルトが「困難は分割せよ」と言っていました。笑

複雑なものや原因不明なものは、わかるところから「分けて」いくことが大切です。鍼灸治療も「分ける」ところから始まり、分けたものに対して施術を行い、その結果、症状の変化(わかる)に繋がるのです。