先日、妊活で当院に通われていた方から妊娠のご報告をいただきました。

お忙しく過ごされていた方で、合間をぬってコツコツと身体のメンテナンスをされていたので、結果がでて嬉しく思います(*^^)v

 

妊娠報告と一緒に「妊娠中でも鍼灸施術は受けられますか？」とのご質問も受けました。

結論から申し上げますと、「妊娠中どの期間でも受けることは可能」です。

今回は「妊娠中の鍼灸施術について」書いていきます。

 

◆妊娠後の身体の反応

妊娠後、妊婦さんの身体は赤ちゃんを大きく順調に育てるために変化し続けます。

ホルモンの変化、胎児が大きくなることによる物理的圧迫・重たさによる症状など、妊娠期間によって表れる症状は異なります。

主に多い症状としては

・肩こり

・腰痛

・つわり

・逆子

・足のつり

・坐骨神経痛

・睡眠の質が悪くなる

・頭痛

・疲労感・倦怠感

など

また、「妊娠前からお持ちの症状」や「妊娠後に起こった症状」、他にも、その人の体質や生活状況によって起こる症状にも対応しております。

 

◆妊娠中に鍼灸施術は危険ではないの？

「鍼灸施術を受けたことがある方」なら、鍼灸施術や施術後がどのような感じか分かるものの、「妊娠後に初めて鍼灸施術を受ける場合」は、不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。

特に、鍼灸施術による刺激で「流産してしまうのでは？」という心配をされることが多いのではないでしょうか？

 

ですが、その不安とは裏腹に、鍼灸施術はお薬と違って副作用がないのが特徴です。

他のページにも記載していますが、鍼灸施術の主な効果は、

・自律神経の安定

・血流を促す

・痛みの緩和(筋肉の緊張緩和)　です。

妊婦さん以外にも、老若男女、様々な方が「病気」や「痛み）お悩みで施術を受けていますので、妊婦さんへの施術を禁止しているということはありません。

 

◆流産の主な原因

では、なぜ流産が起こってしまうのかを説明いたします。

流産は妊娠１２週未満が多く、流産の８０％を占め、妊娠初期に流産に至る確率は「妊娠した方の約８～１５％前後」という統計があります。

つまり６～７人に１人は流産を経験することになります。

 

そして、妊娠初期(１２週まで)に起こった流産の原因は、ほとんどが胎児の染色体異常(遺伝子異常)です。

これは言い換えると、受精卵の段階で残念ながら流産することが決まっているということです。

 

他にも凝固異常(血栓症)・内分泌異常・子宮形態異常なども原因として挙げられますが、ここでは割愛させていただきます。

 

◆鍼灸では

鍼灸施術を検討されている方は大きく２つに分けられます

①妊娠後に症状（つわりなど）がある方

　　　　　　　または

妊娠前からお悩みの症状がある方への施術

症状による母親の「肉体的・精神的なストレス」は、子宮やその中にいる赤ちゃんにとってよくない影響を与えてしまいます。

母親の辛い症状を少しでも楽にさせてあげることで、子宮への負担を減らし赤ちゃんが育ちやすい環境づくりを目指します。

 

②お困りの症状がない方への施術

妊娠期間は「ホルモンの大きな変化」や「赤ちゃんが急激に大きくなる時期もあり」、その大きな変化で身体に負担がかからないようにメンテナンスを行うことも可能です。

つまり「転ばぬ先の杖」です。

東洋医学では妊娠初期は「安胎」というお腹の中で赤ちゃんが健やかに育つような施術や、妊娠中期～後期にかけては「安産」のための施術を行います。

 

◆最後に

妊娠後の鍼灸施術について書いてみましたが、はじめて受ける方にとってはハードルが高く感じるかもしれません。

ただ先ほども上述したように、妊婦さんの身体は「急激なホルモン変化が起こったり」、「赤ちゃんの成長に伴い中長期で負担がかかりやすく」なったりします。

また赤ちゃんへの影響を考慮され、「薬」や「施術も選択肢」が狭まってきますので早めに対応することが望ましいです。

もちろん不安や心配もあるかもしれないので無理にとはいいませんが、私たち鍼灸師は鍼灸施術に対する患者様の不安を取り除くことや、安心して施術を受けていただけるように努力しております。

もし、妊婦だからと今抱えていらっしゃる症状を我慢しなければならないと思っている方がいたら、「鍼灸施術」も選択肢としてあるということを知っていただけたらと思い、この記事を書きました。

 

参考になれば幸いです。