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冷えの3大要因と鍼灸臨床
◆はじめに
鍼灸治療を行っていると様々な症状のご相談を受けます。
その中の一つに「冷え」に関することがあります。
多くの方が、冷える要因は冷房や外気の影響だけだと思われていますが、実は身体の中の状態によっても冷えの感じ方は変わります。
・暑がりの冷え性の方
・特定部位の冷え性の方
・妊活中の方
・更年期の方
などの方に参考になる内容だと思いますので、ご興味のある方は読んでみてください。
◆冷えるメカニズム
冷える主な要因は「血行不良」と「熱産生不足」です。
これら2つがメインとなりますが、そこから枝分かれするものもありますので、それらについて説明していきます。
◆冷えの3大要因
「血行不良」と「熱産生不足」という2つのメカニズムから、臨床でよく見られる3つの要因に分けて説明します。
①自律神経の乱れ→血行不良
自律神経は「活動や緊張を司る交感神経」と「リラックス時に働く副交感神経」に分けられます。
自律神経が乱れている方は交感神経が優位になっていることが多く、その状態が続くと血管が縮んだ状態になり、血流が悪くなります。
自律神経系の冷えは「手足末端」や内臓の働きが落ちて「お腹などの冷え」として現れやすいです。
②エネルギー不足→熱産生不足
・食事量が少ない
・お菓子などの間食が多い
・食欲が湧かない
・食べてもすぐにお腹いっぱいになる
などが常態化すると体内のエネルギー不足が起こります。
人間を含め動物は、食べたものを燃料にして体内に熱を産生します。
以下のような方はエネルギー不足の可能性が高いです。
・直近3カ月で体重が3キロ以上減った方
・夏バテや疲労で食欲がなくなりやすい方
・頻繁に食事を抜く方
③筋肉由来→血行不良と熱産生不足
筋肉由来の冷えは以下の3つに分けられます。
(1)筋肉不足
筋肉は、伸び縮みすることで血液の流れを補助してくれます。
そのため運動習慣が多いと身体は熱を産生しやすくなります。
また運動習慣が身につくと筋肉量が多くなり代謝が上がります。
反対に運動不足になると熱産生不足・血行不良→冷え
筋肉量が減少することで熱産生不足→冷え
に繋がります。
(2)上手く筋肉を使えていない
動いていれば筋肉は使われているものだと思われがちですが、実は上手く使えていない方も一定数いらっしゃいます。
歩行を例にします。
大股で歩く→足首・股関節を十分に使った歩き方→筋肉が上手に使えている
小股で歩く→足首・股関節の動きがほとんどない→筋肉が使えていない
つまり運動していてもしっかりと筋肉が使われていないと、血液の流れを促すことができず、冷えに繋がるパターンがあります。
(3)特定の筋肉に頼り切っている
本来、身体は様々な筋肉が分担して全身を支え、動かしています。
しかし「運動不足」や「バランス感覚の低下」があると、特定の筋肉だけに頼ってしまいます。
そのような状態になると、ご自身の使いやすい筋肉で身体を支え、動かしてしまいます。
特定の筋肉だけに頼ると筋肉の緊張が抜けずに血行不良を起こし、冷えとして症状を起こすことがあります。
多い症状として、以下のようなものが挙げられます。
・ももの前側の冷え
・すねの冷え
・足の甲の冷え
◆鍼灸臨床で冷えを感じやすい方の特徴
・運動習慣のない方、なかった方
・数字で体重が減ってきている方
・見た目で筋肉が落ちてきている方
・50代以降の方
・食事量が少ない方
・睡眠の時間が短い、質が悪い方
◆当院で多い冷えの病態
上述したように冷えの病態は様々あります。
複合の方もいらっしゃれば、単体の方もいらっしゃいます。
当院で多いのは
・自律神経の乱れ由来の冷え
・筋肉由来の冷え
特に「上手く筋肉を使えていない」「特定の筋肉に頼り切っている」病態です。
これら具体的な冷えの症状として以下のような症状が挙げられます。
・足の甲だけ冷える
・膝下内側or外側だけ冷える
・ももの前だけ冷える
・背中が冷える
・左腕だけ冷える
など
◆最後に
冷えやすい方ほど、冷やさないという「守り」を徹底されている方が多いです。
反対に、ご自身の冷える要因を分析し、冷えやすい体を変えていく「攻めの養生」を行っている方は少ない印象です。
もちろん専門知識がないと難しい面もあるため、無理もないことではあります。
今回の記事を基にご自身に当てはめて「該当しそうなこと」「ご自身でできること」をやってみてはいかがでしょうか。
継続して、ご自身のペースで取り組んでみましょう。
参考になれば幸いです。