突然ですが、皆さんはご自身が普段何気なく習慣的に行っていることに、ご自身のお身体にとって良いもの（＝良い習慣）と悪いもの（＝悪い習慣）があるのをご存じでしょうか？そして、何がご自身にとって「良い習慣」でどれが「悪い習慣」なのかを認識しているでしょうか？

鍼灸院では、皆さんの症状を緩和・改善させていくために施術をしますが、その際に大切なことは、「なぜ、そのようになってしまったのか？」という分析を行うことです。

分析のために実際にお話を伺ってみると、そのような症状になってしまった要因の一つとして、日常生活における「悪い習慣」というのがあります。

そして、これは大抵日常生活における何気ない習慣であるために、身体に負荷がかかっている認識があまりないのが実状です。何気なくおこなっているため仕方ないことではありますが、それが良い習慣なのか悪い習慣なのかを理解したうえで行うのと、何も知らないで行うのとでは、身体への負荷が大きく変わってきます。

そんなことを言われても、何が良い習慣で何が悪い習慣なのか、自分では分からないよと思われるかもしれません。ここで大事なのは「答え」や「正解」を出すことではなく、「もしかしたら負荷をかけていたのかも」とご自身の身体について考えてみることです。

今回は、まずは前半部分を読みながらご自身で良い習慣だと思うこと、悪い習慣だと思うことを考えてみていただき、考えてみたけれど分からない、という方へ、後半部分で身体の変化を出していくためのヒントを書いていきます。

①    まずお悩みの症状について一つあげてみてください。

②    そのお悩みの症状にとって悪い習慣になるかもしれないと思うことを挙げてください。

③    そのお悩みの症状にとって良い習慣なのではないかと思うことを挙げてください。

どうでしょうか？

ご自身の症状にとって良い習慣と悪い習慣が何であるかが思い当たれば、以下のことが分かります。

＊悪い習慣＞良い習慣となれば症状を起こす下地は蓄積していきます。

＊良い習慣＞悪い習慣となれば症状は緩やかに落ちていく、変化していきます。

良い習慣も悪い習慣も、考えてみたけれど分からなかったという方は、症状の分析をして、その症状にとって良い習慣・悪い習慣が何なのかを知る必要があります。そのようにしないと「良い習慣＞悪い習慣」という状態が成り立たず、症状は不変または悪化を辿ってしまいます。

しかし、自分で症状の分析をしたり、何が悪い習慣なのか考えたりするのは難しいです。

そこで、私が家族や友達に相談された場合に推奨している方法をお伝えします。

１．病院や治療院などの専門家の意見を聞く(正確には施術を受ける)

最初から営業みたいな話になってしまいますが、症状が出現する背景は本当に様々です。

症状にも物語（経緯）がありますので、話を聞いたうえで体の反応をみながら今の状態を分析していきます。

※信頼できる「かかりつけ医」などがいらっしゃれば、その先生の意見を聞いてみてください。

２． 意見を聞いて納得できるものであれば、治療の継続・生活習慣の改善に努める

「悪い習慣＞良い習慣」の状態を「良い習慣＞悪い習慣」の状態へ持って行き、症状の変化を出すためには、継続的な治療とご自身の生活習慣を改善することが必要です。

当院では、今ある症状・お悩みに対して、「ご自身がどうしていきたいか」を伺ったうえで、身体の変化を出すための治療計画（当面の通院頻度や生活改善のアドバイス、ストレッチなど）をご提案いたします。

３．変化が出てきたら施術の間隔を空けつつ、生活習慣の改善を継続する

お身体の状態に変化が出てきたら、「良い習慣＞悪い習慣」という状態が成り立ちつつあるということです。生活習慣への意識を継続していただいたうえで、お身体の状態を見ながら、徐々に通院間隔を空けることが可能になります。

概ね症状が８～９割ほど改善してきたら、通院頻度の見直しを行います。「ご自身が今後どうしていきたいか？」によってご提案する通院指導は違いますが、パターンとして以下のようになります。

・通院間隔を空ける

・今まで通り通院する

・相談して終了する

・ご自身の判断で終了する

※本人の意思を尊重しますが、相談してこの先の事を決めた方が「何に気を付けて」「どのようになったら施術を受けに来た方がよい」などのアドバイスはすることができます。

ご自身で判断して終了される方は、残念ながら再発率が高いことが多いのが現状です…

最後に

施術を受けるだけで症状やお悩み事に改善が見られれば、それが一番良いのかもしれませんが、施術だけ受けても良くならないという方が多くいらっしゃるのが実状です。

そうした方は、ご自身の生活を見直したり意識したりすることで、「良い習慣＞悪い習慣」という状態を作る必要があります。

身体の変化をおこすために、ただただ施術を受ければよいのではなく、ご自身の悪い習慣を改めるなど、能動的に治療参加をしていただければと思います。少しでも参考になれば幸いです。