話をしてすっきりした！ストレス発散になった！と誰かに言われたことや、ご自身がそう感じたことが、皆さんも一度はあるのではないでしょうか？このようなことを言っていただくことは、当院でもよくあることです。

人は、自分にとってどうでもいいことや関わりのないことについては、気にも留めないし何も思わないのですが、ご自身のことや身の回りの気になることなどが未消化のままだったりすると「何か」が溜まります。

この「何か」という抽象的な言葉を使うのは、人によって「思うこと」、「感じること」が違うからです。

「楽しいこと」、「嬉しいこと」、などのよい事柄であれば、活力になり身体や心にとって良い方に働きますが、「嫌なこと」、「ストレスに感じること」などの悪い事柄は身体や心にとって悪い方に働きます。

便宜上、良い事柄を「正のエネルギー」、悪い事柄を「負のエネルギー」とします。

そして冒頭で書いた「何か」とは、ここでは「負のエネルギー」のことを指します。

この「負のエネルギー」が溜まり続けることで、何かしら体調不良の症状を起こすことがあります。

「負のエネルギー」が少しずつ蓄積して症状が徐々に起こったり悪化したりする方もいれば、溜まりすぎて限界を迎え、爆発してしまう方もいます。

このようになってしまう方の背景には以下のようなことが考えられます。

・自分の感情に気づきにくい

・自分の感情を表現することが苦手

・どこに(誰に)吐き出していいかわからない

・人に話すきっかけがない

・自分で解決したい

など

不調症状が出てしまうほど「負のエネルギー」を溜め込んだ理由を伺うことはありませんが、お話を伺っていると上記のように感じることが多いです。そして、鍼灸の臨床では治療の糸口を見つけるために症状に関連することを伺うため、負のエネルギーが起因する症状の場合、溜め込んだものを吐き出して下さることになり、結果的に負のエネルギーを心から離すきっかけになっているように思います。

もちろんここで話したからといって、今すぐ解決するほど簡単なことではありませんが、話すことで心に溜まったものが少しでも軽くなり、施術と相まって身体と心にゆとりができると、ご自身を客観的にみることもできるのだと思います。

タイトルに書いた「話すことは離すこと」というのは、

「話すことで身体と心から負のエネルギーを離してあげる」ということです。

一応付け加えますが、負のエネルギーを溜め込んでいる方は鍼灸院に来て！ということではなく、まずは誰かに話を聞いてもらうことから始めてみるのも良いのでは？ということです。

参考になれば幸いです。