治療したのに、すぐまた調子が悪くなる、なかなか良くならない・・・そのような思いを抱いているかたは、意外と多いかもしれません。それは何故でしょうか？

今回は、そのようなお悩みをお持ちの方のために、セルフケアについてのお話です。

不調症状と一口に言っても、急性的に発症したものから慢性的なもの、体質に起因するものなど、多種多様です。

慢性症状や体質に起因するような症状は、急性症状と比べると、症状が改善するまで時間がかかります。慢性であれ急性であれ、施術後は緩解することが多いのですが、慢性症状では緩解状態を持続しにくい、という側面を持っています。緩解状態の維持や体質を変えていくには、「治療」にプラスして「セルフケア」を行うことが大切です。

慢性症状や、体質に起因する症状において、良好な状態を維持しにくい要因が何なのか、そしてセルフケアを行うことのメリットについて、説明していきます。

◆慢性症状はなぜ起こるのか？

慢性症状や体質に起因する症状は、主に３つのことによって起こります

１、日々の蓄積

身体疲労・精神疲労・ストレス・睡眠不足・運動不足・運動による負荷などにより、身体にとって悪いものが蓄積してきます。この蓄積がある一定以上になると、症状が固定され、慢性症状や体質に起因する症状を作り上げます。

２、生活習慣

普通誰しも、自分の生活習慣が身体にとって負荷になっているとは思いもしません。自覚があれば、気をつけたり改善しようとしたりするので問題ないのですが、自覚がないことなので、知らず知らずのうちに身体に負荷の蓄積がおこっています。

３、定期的な身体のケア不足

症状の経過が長いものはもちろん、短いものでも、治療だけでなく、セルフケアも定期的に行うことが望ましいです。

その理由を、「ロープの絡まり度合い」で例えます。

・経過が短い症状→ロープの絡まりが少ない状態

絡まりが少ない状態であれば、「ほどく」のに時間はかかりませんよね。

症状が慢性化する前に治療し、セルフケアも行うことが出来れば、ロープの絡まりをほどくのと同じで、症状は落ち着きやすいのです。ですが治療もセルフケアも行わずに放置すると、絡まったロープのように悪化してしまいます。

・経過が長い症状→ロープの絡まりが複雑な状態

複雑に絡まってしまっていると、なかなか思うようにいかず、「ほどく」のに時間がかかります。同様に、症状も改善するまで時間がかかります。

 「施術後は調子が良くなるけれど、またすぐ元に戻る」、というお声をよく耳にしますが、これは一回の施術では、症状の悪化因子の絡まりを「ほどく」のには限度があるからです。こうした場合は、「ほどく作業(施術)」と「絡まる要素の低減(セルフケア)」を組み合わせた、中長期的な計画が必要になります。つまり治療もセルフケアも継続して行うことが必要なのですが、セルフケアをしていないと、状態の維持はより難しくなり、前述したように「すぐ元に戻る」という結果になります。

◆セルフケアのメリット

１、日々の身体への負荷の低減

日々生活を送る中で、身体に悪いものの蓄積は、どうしても起こりますが、ご自身の症状に対して適切なセルフケアができれば、その蓄積は低減させることができます。

２、症状の下り坂の時の対処法

長い付き合いの症状では、ご自身の今の状態がどのような状態か、お分かりになると思います。「少し重いな」「朝だけ痛み感じるな」など、症状が下り坂の時に適切な対応ができれば、悪化を防ぐことができます。

３、症状や患部の声を聴く時間

最近の調子の良し悪しや、ここ一カ月の身体の状態などについて振り返る時間を、セルフケアの時間と共に作るようにしましょう。症状の声を聴きながらセルフケアを行うことで、普段の生活や動作が意識的に行われるようになり、症状の改善を助けていきます。私自身は結構大切な時間だと感じています。一日１０分から１５分、セルフケアの時に考えてみてください。スマホ・テレビなどを見ながら行う、いわゆる「ながらケア」よりずっと効果的ですよ！

◆最後に

　具体的なことは書きませんでしたが、セルフケアのメリットを感じて頂けたでしょうか。新しいことは、生活に取り入れ、習慣化するまで時間がかかりますが、セルフケアは、健康維持のためにも是非行って頂きたいです。

「慢性化しているから」、「歳だから」、」「体質だから」と諦めず、まず自分の症状に良いこと・できることを行う、これに尽きます。

今日が人生で一番若い一日です。ご自身の身体にとって良いことをして、健康に過ごしましょう(*^^)v